はじめに
こんにちは、takumiです。いつもご覧いただき、ありがとうございます。ご縁に感謝です。
今回は、界面活性剤について書きたいと思います。いつだったか、とある病院で界面活性剤が点滴液の中に混入していて点滴を受けた入院患者が中毒死するといった奇妙な事件がありました。そのせいで一時、テレビや新聞で「界面活性剤」という言葉がよく出ていましたよね。
もちろん、いろいろなところで使われている界面活性剤、そのすべてが危険だということは言いませんが、度を越した量を頻繁に使い続けたりすればやはりカラダに何らかの影響が出てくるかもしれませんし、成分的にも中には避けたほうが賢明だと思うものもあります。
なので、今一度界面活性剤について調べたので、備忘録として記しておきたいと思います。中には個人的な思いも綴っていますが、あくまでも一個人の意見としてお読みいただければと思います。
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界面活性剤って何?
まず、界面活性剤って何なの?ってことですが、例えば混ざり合わない水と油を、その2つの物質の境目(界面)に働きかけそれらを混ぜ合わすためのものです。
界面活性剤の分子構造は上記のようになっており、一つの分子の中に、青で示した水になじむ部分と紫で示した油になじむ部分の両方を持っていて、いろいろな効果を発揮します。その作用は、界面活性剤と一括りで表現するのが疑問に思えるほどいろいろとあって、様々な種類の界面活性剤が存在します。
界面活性剤の主な働き
界面活性剤は、ざっくり分けると下記のような作用があります。
【乳化】 |
水と油を混ぜ合わせる働きです。アイスクリームやマーガリン、コーヒーフレッシュ、化粧品などに使用されます。 |
【分散】 |
ススや顔料などの不溶性の粉体を水や油に混ぜ合わせます。化粧品やインクや塗料などに使用されます。 |
【湿潤・浸透】 |
水をはじく物質に水を染み込ませやすくします。化粧品や柔軟剤、染料、農薬などに使用されます。 |
【起泡・消泡】 |
空気を取り込み水の表面張力を弱めることで泡を立ちやすく(起泡)します。反対に、泡を立てないよう(消泡)に作用するものもあります。洗剤やシャンプー、石鹸などに使用されます。 |
【吸着・洗浄】 |
物質と汚れ(油やタンパク質)の間に吸着浸透し、分散、乳化させ、水で流しやすくします。洗剤やシャンプー、石鹸、化粧品、消臭スプレーなどに使用されます。 |
これらの他にも、防錆や帯電防止、除菌殺菌など、1500〜2000種類とも言われるほどの種類があり、日々研究開発されています。それらは、用途によって「乳化剤」や「分散剤」「洗浄剤」などという呼ばれ方をします。
界面活性剤の種類
つぎに、界面活性剤の種類ですが、これは分類の仕方にもよりますが、たとえば親水基部分のイオンの性質によって4種類に分類されます。
陰イオン性(アニオン)界面活性剤 |
水に溶かした時に親水基がマイナスの電気を帯びているもの。泡立ちがよく、乳化し分散させる特徴があるため、多くのシャンプーや洗剤、石鹸はこの陰イオン界面活性剤になります。 |
陽イオン性(カチオン)界面活性剤 |
水に溶かした時に親水基がプラスの電気を帯びているもの。シャンプー後のマイナスに帯電した髪の毛に吸着したり、帯電防止するといった特徴があるため、リンス・コンディショナーや衣類の柔軟剤に使われます。また、殺菌力が強いため、殺菌消毒剤としても使われ、逆性石鹸と呼ばれます。 |
両性イオン性界面活性剤 |
水に溶かした時に親水基がプラスとマイナスの電気を帯びているもの。水溶液が酸性の場合はプラス(陽イオン)に、アルカリ性ではマイナス(陰イオン)に帯電します。乳化分散力もあり、髪の毛への吸着力もあるため、洗剤やシャンプー、リンス、コンディショナーに使われます。一般的に肌に優しいとされます。また、多くは他の活性剤の補助剤として使われています。 |
非イオン性(ノニオン)界面活性剤 |
親水基が電気を帯びていないもの。酸やアルカリ、水の硬度(ph)や温度の影響を受けにくく、他のどの界面活性剤とも併用できます。食品や化粧品の乳化剤や増粘剤として、洗剤やシャンプーとしても使われます。 |
大きく分けるとこのようになります。いろいろと作用や種類があって、利用される製品は身の回りに溢れています。
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天然由来は安全で合成界面活性剤は危険なの?
よく、天然由来だから安全で、合成界面活性剤は危険などというのはおかしな話であって、というのは、そもそも「天然」と「天然由来」は違っていて、原料が天然由来でも人工合成処理されればそれは合成界面活性剤ということになりますし、合成だからといって適量を守っていれば即危険ということはありませんの。天然と合成の違いから詳しくみていきましょう。
天然の界面活性剤って何?ってことですが、たとえば卵黄に含まれる卵黄レシチンがあります。マヨネーズは卵黄と油で作りますが、それらが混ざり合い分離しないのは卵黄レシチンの働きによるものです。また、大豆レシチンも食品や化粧品の乳化剤として使われます。また、植物の根、葉、茎などに広く含まれているサポニンは、泡立ちがよく、それらを多量に含んだ植物の皮などを昔はシャンプーとして使っていたそうです。牛乳に含まれるタンパク質のカゼインも界面活性剤(乳化)としてのはたらきがあります。これらが天然の界面活性剤ということになります。
原料が天然由来なのに合成というのは、たとえばラウリン酸Naなどは、ヤシ油(ココヤシの実の油)に苛性ソーダを混ぜ合わせると石鹸が作れます。また、ショ糖にオレイン酸などの脂肪酸をエステル結合させることでショ糖脂肪酸エステルという界面活性剤が作られ、乳化剤などとして広く使われています。他にもアミノ酸系の界面活性剤もありますが、これらはすべて天然由来の原料に化学物質を合成して作りますので、合成界面活性剤ということになります。
その他、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどの高級アルコール系は天然由来または石油由来であり、、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸Naなどの石油系は文字通り石油から作られます。
ただ、ここで重ねて言っておきたいのは、天然だろうが合成だろうが、少量を使う分には危険がないということ。ただし、ある条件付きで危険な物質となりうることはあると思います。その条件というのは、製品の中に含まれる界面活性剤の含有量や濃さ、日常それらを使用(食用・飲用)する頻度や量、期間によるものと思われます。
界面活性剤の何が危険なの?
一体何が危険なの?ということですが、結論から言うと、アブラで出来ている細胞膜や、肌を守っている皮脂膜を溶かしてしまうことだと思います。先にも書いたとおり適量で使う分にはすぐに危険な状態にはなりません。ただ、裏を返せば、すぐには影響が出ないのでその危険性がわかりにくいということも危険なことですよね。つまり、特定されにくいということです。使い続けているうちに合成界面活性剤が分解されずに体内に蓄積され、それらがある細胞に悪さをするのかもしれない。
また、そのようないろいろな化学物質は、体内で混じり合った時に、どのような化学変化が起きるかまで実験していないんですよ。物理的に出来るわけない。たった1種類の化学物質をたった少しだけで判断出来るものではないんですね。ジワジワと効いてくる時限爆弾になる可能性だってあるわけです。なので、体内に入れる、身体に触れる量をなるべく減らすことが大事なのかなと。
洗剤やシャンプーがバリアである皮脂をも取ってしまうという弊害
界面活性剤の働きを思い出して下さい。油と水の境目を破壊し溶かしてしまいますよね。特に、洗浄力の強い強刺激シャンプーや洗剤(一滴落とすだけでお皿の上の油が取れてしまうCMなどでおなじみの)は、頭皮や肌の皮脂膜を取ってしまうことから、異物が皮膚内に侵入したり角質が剥げてカサカサになったり水分が抜けて乾燥したりしますよね。まさにカサカサ肌や手荒れの原因かと。
お皿や頭皮の汚れとともに適度に保たなければならない皮脂膜まで取っちゃっているのです。油汚れが擦らずに落ちるということは、肌にもその影響が及んでるってことなんですね。なので、手や肌や頭皮に異常がでてきたなと思ったら、すぐに食器用、洗濯用洗剤やシャンプーを疑ったほうがいいでしょう。何しろ最近の食器用洗剤には30〜40%もの界面活性剤が含まれていますから。
また、食器は手袋を使って洗うから全然OKと思うかもしれませんが、食器や野菜に残留物が残ることを考えたら、最初から肌に優しいものを選んだほうがいいでしょう。
除菌消臭スプレーの殺菌力は人体に害はないのか?
最近は各家庭にも除菌消臭スプレーが置かれる時代です。過剰な除菌・抗菌信仰に加えテレビのイメージCMがそうさせているのでしょう。
これらの除菌スプレーの成分を見ると、「除菌成分(有機系)」という曖昧な表示になっていますが、界面活性剤のうち殺菌力といえば「陽イオン(カチオン)界面活性剤」であり、その中の4級アンモニウム塩(Quat)が菌の細胞膜を破壊することで殺菌すると考えられています。
でもちょっと待って下さい、菌の細胞膜って言うけれど、除菌スプレーは菌かどうかは判断しませんよね。つまり、鼻や口、皮膚から体内に入った4級アンモニウム塩(Quat)は、いろいろな体内の細胞のバリア的働きをする細胞膜であるリン脂質(アブラでできている)を溶かしてしまう可能性だってあるわけです。そうなると細胞の中の組織に異常が発生する確率が確実に上がります。バリアを失ったわけですから。
それに、菌がすべて悪だという考えも誤りですよね。身体の表面から体内に至るまで、数え切れないほどの有用な菌や微生物が働いています。除菌スプレーを使うことでそういった善玉菌や日和見菌たちまで殺してしまうことになり、咳が止まらないとか、ペットに異常が発生したとかいう話が出てくるのですね。また、生殖異常や精子減少リスクがアメリカで発表(詳細)されました。除菌消臭スプレーは僕達にとって大切な細胞膜を破壊してしまうのなら絶対に避けるべきだと思いますね。
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