映画『シュガー・ブルース 家族で砂糖をやめたわけ』を観て・・・

糖質について

スポンサードリンク

はじめに

こんにちは、takumiです。

先日、渋谷の小さな映画館「UPLINK」で、「シュガー・ブルース 家族で砂糖をやめたわけ」というドキュメンタリー映画を見てきました。

ちなみに、その日は2016年9月9日、999の目出度い日であった。また、一年に一度木星が移動する日で、おとめ座からてんびん座に移行した日である(詳細はこちら)。

ま、それはどうでもいいんだけど、この映画、タイトルを聞くだけではあんまりわからないんだけど、砂糖の危険性糖質制限の重要さについて世に訴えかける映画です。自分も今、小麦類をほとんどやめていたり、砂糖や果糖などの甘いもの全般を避けていて、最近になって本格的に糖質制限しようと思っていた矢先の映画だったので、最終日に駆け込みで観に行ったわけです。

映画『シュガー・ブルース 家族で砂糖をやめたわけ』作品情報

まずは、この映画がどんな映画かということで、作品情報です。

sugar-blues-2016
(C)GOLDEN DAWN

『シュガー・ブルース 家族で砂糖をやめたわけ』(原題:Sugar Blues)
2014年 82分 チェコ
監督:アンドレア・ツルコヴァー
主演:アンドレア・ツルコヴァー
配給:T&Kテレフィルム
公式HP:シュガー・ブルース 家族で砂糖をやめたわけ

この映画は、チェコ共和国出身の女性ドキュメンタリー映画作家である、アンドレア・ツルコヴァーが、自らの行動をカメラで追ったセルフ・ドキュメンタリー映画です。

タイトルの「シュガー・ブルース」は、1975年に出版された「SUGAR BLUES(ウィリアム・ダフティ著)」(邦題:砂糖病〜甘い麻薬の正体、1979年 現在絶版)という本からインスパイアされたものだろうが、40年以上前に刊行されたこの本は、初めて砂糖の危険性を世に訴えた内容となっており、著者のダフティは、自身が砂糖中毒の重症患者であり、そこから抜け出し、完全穀物と野菜のみの食生活に至るまでを綴っている。

本書は、マクロビオティックの提唱者である、日本人の桜沢如一(海外名:George Osawa、僕と同じ和歌山県新宮市出身^^)の影響を受けているといい、長年ベストセラーとなっているらしいが、残念ながら日本では絶版中である。

スポンサードリンク

あらすじ(ネタバレ注意)

sugar-blues-1
(C)GOLDEN DAWN

この映画を撮るきっかけとなったのは、監督・主演のアンドレア自身が3人目の子供を妊娠した時、妊娠糖尿病(下記リンク参照)と診断されたこと。生まれてくる子供に及ぶ影響を心配し、砂糖絶ちの生活を決意する。文字通り、一切の砂糖を摂取しないということだ。

妊娠糖尿病の「6つの症状」とは?「4つの赤ちゃんへの影響」と治療方法

sugar-blues-2
(C)GOLDEN DAWN

ところが、いざ砂糖絶ちを始めてみると、いきなりその難しさに直面する。スーパーに買い物に行っても、加工食品や清涼飲料水にはほとんどすべて砂糖が入っている。というか、この映画では主に精製された白砂糖のことを中心に語られているイメージだが、糖質制限に造詣の深い方ならご存知だろうが、砂糖に限らずとも、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖、でんぷん由来のコーンシロップ、アステルパームなどの人工甘味料等、、、これらを全部食生活から排除しようとなると、食べるものがなくなっていくほど。上の写真でもわかるし、日本でもそうだが、毒々しいまでに派手なパッケージの砂糖入り食品が棚一面に売られている。それら全部の摂取を控えるのが本当の「砂糖絶ち」なのだ。外食はまず無理だろう。

ちなみに、アンドレアの母国、チェコ共和国は、あのドイツを押しのいて、ビールの国民一人当たりの年間消費量世界一なのだそう。ご存知のとおり、小麦が原料のビールも「糖質」がふんだんに含まれていますから何とも皮肉ですね。

sugarblues-8
(C)GOLDEN DAWN

やがてアンドレアは、息子を無事出産するのだが、どうも発育面で上の子の2人と違うと感じ、不安に苛まれる。

そこで、砂糖の過剰摂取は本当にいけないのか、いけないとしたら何が問題なのか、といったことを探るために、ビデオカメラ片手に5年間、8カ国に渡る取材を敢行する。医師や科学者、WHO職員、政治家、糖尿病患者、シュガーフリー啓蒙活動家などをインタビューし、砂糖の歴史を紐解きながら、砂糖を大量に世に送る多国籍企業や医療業界、政治家との関係で多大な利益を生み出している「砂糖業界の闇」を知ることになる。

sugar-blues-3
(C)GOLDEN DAWN

気になったインタビューを何個か抜粋すると、下記のとおり。

「砂糖は麻薬のように体を蝕む。でも人は、砂糖の安全性を信じて疑わない。」

「砂糖は血糖値をジェットコースターのように急上昇・急降下させる。」

「肥満や糖尿病が急激に増えたのは、砂糖の過剰摂取をはじめとする食習慣の変化がもたらしたものである。」

「砂糖はADHD(注意欠陥・多動性障害)や統合失調症、アルツハイマーなど、様々な脳疾患のリスクをもたらす。」

「不適切な食事は、パーキンソン病や自閉症、ぜんそくなど免疫系の異常をもたらす。」

「心疾患の本当の原因はコレステロールではなく、高血糖だ。糖質の過剰摂取が血管を傷つける。」

「食品メーカーは、何十年も前から、宣伝文句と原料を巧みに操作してきた。」

映画「シュガー・ブルース 家族で砂糖をやめたわけ」より。

砂糖の過剰摂取は、イコール肥満や糖尿病だけなんかではなく、さまざまな脳疾患、心疾患、アレルギー疾患、精神疾患など多くの病気に関わっているのがわかってきている。

しかしながら、巨額の資金でロビー活動に励む多国籍企業や医療業界などのせいで、まったくと言っていいほど「砂糖が危険だ」などという報道はされないのが現状だ。これは欧米でも日本でもそうである。

sugarblues-6
(C)GOLDEN DAWN

そうして、砂糖抜きの生活を始めた家族は、「SUGAR CAN KILL(砂糖は人を殺せる)」といった過激なプラカードを持って街なかに繰り出し、人々にビラを配ったりデモを行う。

また、同じメッセージのシールを自作して、お菓子や加工食品の並ぶスーパーの商品棚などにベタベタ貼っていく。(ここらへんは、過激すぎてついていけないのだが…)ま、ユーモアのつもりなのかもしれないが。

sugarblues-7
(C)GOLDEN DAWN

sugar-blues-africa
(C)GOLDEN DAWN

アフリカの難民キャンプを訪問したツルコヴァー監督だが、アフリカというところは、先進国が入ってきて豊かな土地を奪い取り、痩せた狭い土地に人々を追いやった。やがて人々が飢えれば、今度は支援物資として砂糖がふんだんに入った食品が投入され、多くの人々は今、健康を害しているという。なんということだろう。

sugarblues-5
(C)GOLDEN DAWN

最後は、野菜や完全穀物、キノコなどが食卓に並ぶ(たしか肉や魚もなかった気がするが定かではない)、マクロビオティックな食生活になる。子供はおとなしくなり、物事に集中出来るようになったという。そして、癇癪を起こすことが減り、体調を崩すことも少なくなったとも。子どもたちも砂糖抜きの食事に慣れたのか、生の野菜やなんかでもとても美味しそうに食べていた。

最後の写真だが、1969年にアムステルダムのホテルで行われたジョン・レノンオノ・ヨーコの平和イベント「ベッド・イン」のパロディというか、オマージュとなっている。

これは、ツルコヴァー監督の次のメッセージが込められたものである。
「シュガー・フリーは、誰もが自分の食卓で始めることができる無欠の革命」

andrea-culkova
(出展:e Newspeak

スポンサードリンク

シェアする
takumiをフォローする
One

コメント