はじめに
こんにちは、takumiです。いつもご覧いただき、ありがとうございます。ご縁に感謝です。
前回のつづきです。前回は「カラダにいい塩というのは海水の塩分ミネラルバランスと似た塩」という仮説を立てました。血液やリンパ液なども同様にミネラルバランスを整えることで健康を取り戻すのではないかという考えです。
もちろん、このことやこれから書くことはあくまで個人の見解であり、論文などで認められているわけではないので、信じる人だけ信じてもらえば結構です。
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海水のミネラルバランスと味の特徴
前回のおさらいです。海水に含まれる塩分のうち、ミネラルバランスはいったいどのようになっているのでしょうか。
海水「塩分」のミネラルバランス | |
塩化ナトリウム | 77.9% |
塩化マグネシウム | 9.6% |
硫酸マグネシウム | 6.1% |
硫酸カルシウム | 4% |
塩化カリウム | 2.1% |
その他 | 残り |
この塩化ナトリウム77.9%というのが1つめのポイントです。精製塩が塩化ナトリウム99%ということなので、ずいぶん「薄い」ことになります。だから食塩としての機能を果たさないのではという考えもありますが、そんなことはありません。十分しょっぱいですし、他のミネラルが醸し出す甘さやうま味やコクのある苦味が織りなす奥深い味になります。というわけで、2つ目のポイントはこれらミネラルのバランス。これらミネラルの味が複雑に絡み合い、精製塩のようにただしょっぱいだけではないおいしい塩を形成しているのです。ミネラルがわれわれに与える味覚は下記のとおり。
本来あるべき「おいしい塩」の味 | |
塩化ナトリウム | しょっぱさ |
塩化マグネシウム | うま味のある苦味 |
硫酸マグネシウム | コクのある苦味 |
硫酸カルシウム | 甘み |
塩化カリウム | キレのある酸味 |
上記のミネラルをバランス良く含んだ塩が「ホンモノの塩」と言えます。
たとえば、ヨーロッパでは、岩塩が主に使われていますが、どの岩塩も一般的にはさほどミネラルを含んでいません。ですが、ヨーロッパは、水にミネラルが豊富に含まれているので(いわゆる硬水ですね)、塩にミネラルがあまり入っていなくても問題ないのです。飲水で賄えますから。しかし日本の場合、ほとんどがミネラルを含まない軟水の為、塩でミネラルを補う必要があるといえます。
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「塩」成分表で「食塩相当量」を知る方法
まずは、ある塩の「栄養成分表示」をご覧ください。
栄養成分表示(100g中) | |
エネルギー | 0kcal |
たんぱく質 | 0g |
脂質 | 0g |
炭水化物 | 0g |
ナトリウム | 35000mg |
カリウム | 47mg |
マグネシウム | 295mg |
カルシウム | 527mg |
食塩の塩分を知るには、「塩化ナトリウム」の含有量(食塩相当量)を見なければならないのですが、上記表では「ナトリウム」としか書かれていません。
これは、2015年に施行された食品表示法によって栄養成分表示が義務化され、下記表のように「ナトリウム」ではなく、「食塩相当量」、または併記にて表示しなければならなくなったのですが、塩は2020年3月までの猶予期間が設けられているため、2017年現在、「ナトリウム」としか表示されていないものがまだ存在しているという訳です。
栄養成分表示(100gあたり) |
熱量(エネルギー)kcal |
※さらに、表示したい成分のうち、食品表示基準で定められている13成分(亜鉛,カリウム,カルシウム,クロム,セレン,鉄,銅,ナトリウム,マグネシウム,マンガン,モリブデン,ヨウ素,リン)を任意で表示することが出来ます。 |
そこで、最初に示した「ナトリウム」としか表示されていない塩に含まれる「食塩相当量」を知るには、下記の数式を用います。
説明すると、食塩=塩化ナトリウム NaClを構成する、ナトリウム(Na)の原子量23と、塩素(Cl)の原子量35.5を合わせると23+35.5=58.5となります。この食塩の中にナトリウムがどれだけ含まれているかというと、58.5÷23≒2.54となる。
つまり、ナトリウム1gは食塩2.54gに相当することになる。食品の栄養成分表示ではナトリウムはmg単位で表示されますので、gに換算するには1000で割る必要があります。以上で、上に示した計算方法になります。
なので、食塩を購入する時は、裏面記載のナトリウムに2.54を掛ければいいのです。(食塩相当量や塩化ナトリウムと記載の場合はそのままです)だいたい100g中の成分が記載されていますので、95gなら塩化ナトリウム95%ということになります。そこで海水塩分77.9%は極端としても、出来れば80%台のものを見つけたいです。もちろん、マグネシウムや、カルシウム、カリウムなども多すぎず少なすぎず、バランス良く入っていることは言うまでもありませんが。
いろいろな「塩」の食塩相当量を調べてみた
それでは、いろいろな有名な精製塩ではない塩の成分を見てみましょう。熱量(エネルギー)、たんぱく質、脂質、炭水化物はすべてゼロになりますので、ここでは省かせていただきます。また、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム以外のミネラルに関しても省かせていただきます。
下記表の成分は、塩100gあたりのミネラルで、左から、塩化ナトリウム(NaCl:食塩相当量)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)です。(単位はNaclのみg、その他はmg)
NaCl | Na | Mg | K | Ca | |
能登・わじまの海塩 | 88.9 | 35,000 | 295 | 47 | 527 |
奥能登海水塩 | 79.7 | 31,000 | 220 | 80 | 480 |
粟国の塩 | 71.1 | 28,000 | 1,530 | 560 | 550 |
海の精(赤ラベル) | 86.4 | 34,000 | 700 | 240 | 400 |
雪塩 | 76.9 | 30,300 | 2,810 | 859 | 625 |
海人の藻塩 | 94.5 | 37,200 | 826 | 552 | 358 |
伯方の塩 粗塩 | 95.2 | 37,500 | 100〜200 | 50 | 50〜200 |
赤穂の天塩 | 91.4 | 36,000 | 550 | 5〜80 | 5〜70 |
(※上記値は、各メーカーのHPや本体成分表を参考にしました。2017年現在のものです。)
いかがでしょうか、海水のミネラル成分バランスに近いものを選びたいですが、たとえば食塩相当量だけで見ると、能登の奥能登海水塩や、沖縄・宮古島の雪塩が近いですね。ただ、両者を比較するとマグネシウムの量が大きく違っていたりします。なので、上記のうちどれがいい、どれが悪いとはあえて書かず、ミネラルバランスのいいモノをお選びいただきたいとだけ書いておきます。塩化ナトリウムの他のミネラルをバランス良く摂り入れることが何より重要なんですから。好みの問題もあるかもしれませんし。いわゆる精製塩は99%が塩化ナトリウムだから、他のミネラルを摂らないだけでなく、バランスを崩すことで様々な良くないことが起こるのだと思います。
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ミネラル摂取はバランスが大事、偏った摂取はNG!
人間には、必須ミネラルというものがあります。必須というのですから必須です。無くてはならない物質です。しかもそれらはすべて、体内で生成することは出来ません。食物など外部から摂取しなければならないのです。
世の中には、サプリメントといったような一見手軽で便利なミネラル摂取法がありますが、それらはあくまで補助食品として考えたほうがいいでしょう。食べ物から摂れるものは食べ物から摂るに越したことがありませんから。それに、単体のミネラルを摂取するということは、ミネラルバランスを取るのが難しいということになります。
たとえばカルシウムとマグネシウム、ナトリウムとカリウムは、常にセットで考える必要があります。人間に数十兆あるといわれる細胞ですが、細胞の中にある体液を細胞内液、細胞の外にあるものを細胞外液といいますが、ナトリウムイオンやカルシウムイオンは細胞外液に多くあり、カリウムイオンは細胞内液に多くあります。
カルシウムとマグネシウムの関係について見ていきましょう。細胞外液に多いカルシウムが細胞の中に入り込み、濃度が高くなりすぎるのを防ぐため、細胞膜にあるイオンポンプがカルシウムを汲み出すのですが、その働きに関与するのがマグネシウムなのです。マグネシウムが不足しているとポンプの働きが弱くなり、細胞内にカルシウムが溜まり、やがて石灰化し動脈硬化を引き起こしたりします。また、血中にあるマグネシウムが少なくなると、骨から溶け出してそれを補おうとするのですが、その時カルシウムも同時に溶け出してしまい、骨が弱くなってしまうのです。このように、カルシウムとマグネシウムは切っても切れない相関関係にあるのです。
ナトリウムとカリウムの関係はどうでしょう。ナトリウムとカリウムは、互いに拮抗的に作用しあっています。つまり、細胞外液で濃度が高いナトリウムと、細胞内液で濃度が高いカリウムがそれぞれの浸透圧を支配し、バランスを取り合うことで細胞の形状を正常に保つことができ、その機能を発揮できる。両者がきちんとバランスしあって血圧調整や体内の水分調節を行っているのです。
なので、細胞外液にあるナトリウムが多くなると、濃度を下げるために水を多く飲むことで(塩分を摂りすぎると喉が渇くのはこのためです)、細胞外液の水分が増えて「むくみ」となったり、体液が血管を圧迫することで血圧が上がったり、さらには、血液中にナトリウムが増えると、その濃度を下げるために水分を取り入れ、血液量が増え、これまた血圧が上がります。なので、ナトリウム過剰摂取の時はカリウムを摂ればむくみが解消し、血圧が下がることもわかっています。
では、カリウムを摂りすぎるとどうでしょう。結論から言って、かなり危険です。細胞内液に多いカリウム濃度が濃くなると、それを薄めるため細胞内に水分が入って細胞が膨張します。細胞壁が伸び、最悪の場合、その機能を十分に果たせなくなります。昨今の減塩ブームで、ナトリウム摂取を減らし、野菜や豆類、果物などを多く摂ればどうなるでしょう。カリウムはこれらに多く含まれます。自ずとカリウム濃度が高くなり、最悪の場合、高カリウム血症になり、不整脈など心臓病を引き起こす。ただ、通常は、摂りすぎても腎臓がフォローし、尿となって体外に出してくれるので大丈夫なのだが、腎機能や肝機能の弱ってる人は注意が必要だ。
このように、カルシウムやマグネシウム、ナトリウムにカリウム、他のミネラルもそうですが、摂りすぎたり摂らなさすぎたり、一方が増えて一方が減ってしまったりすることがいかに危険かってことです。
サプリメントである一つのものだけを多く摂ったり、精製塩というナトリウム99%のものを摂ったりすることで、体のいろいろなバランスを崩し、病気となって顕れることもある。その他ミネラルやたんぱく質などが絡むことでそうなることもあるだろう。そんなことから、ミネラルバランスを維持するために海水のミネラルバランスと近い塩を摂るのが有効になる。
塩分摂取と高血圧の関係
塩分を摂りすぎると高血圧になる、とお医者さんはよく言いますが、これは塩化ナトリウム99%の精製塩を摂っていたらそりゃあ、カリウムとのバランスが崩れそうなるでしょう。しかし、ナトリウムとカリウム、カルシウムやマグネシウムのバランスの整った塩を摂れば、高血圧になることもないでしょう。
ただ、食塩摂取が高血圧につながる人もいるのは事実です。食塩感受性高血圧というのがそれです。腎臓におけるナトリウム排泄機能障害によるものだ。日本人の2割がそれに当たると言われています。その人たちは、塩分を控える必要があります。
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ミネラルバランスも自然の調和に倣って – – – おわりに
自然の調和がすべてです。自然が何よりの先生です。
このことが、ミネラル摂取にも言えます。海水のミネラルバランスが血液や組織液のそれと似ている、、、このことからも、海水のミネラルバランスに似た塩を摂るのが有効だと思うのです。
減塩が体によいという風潮は大いに疑問です。「いい塩」は減塩すべきではありません、減塩すべきは精製塩です(繰り返しになりますが、食塩感受性高血圧の方は減塩が必要です)。
日本の水は軟水が多いことからもわかるとおり、土中のミネラルがヨーロッパやなんかに比べ少ないです。なので、ミネラルは塩から摂るのが有効だと思います。
たかが塩、されど塩です。ミネラルバランスの崩れは、だるさや倦怠感などの不定愁訴に始まり、生活習慣病に繋がります。波動を下げ、細胞の振動数を落とすのです。
塩の取り合いで戦争に発展した時代もあるくらい、塩は大事です。
安かろう悪かろうの塩を今すぐやめましょう。加工食品や外食も塩分はほとんどすべてが精製塩が使われています。精製塩は食べていると止まりません、いつまでも手が伸びてしまいます。スナック菓子やファストフードのポテトを思い出して下さい。そしてそれらを食べ続けていると、身体も精神も健康を失いかねません。
子供のため、家族のため、親のため、愛する人のためにも、そこらへんをちゃんと考えたいものですね。
コメント
栄養的にどうかとか
製造法がいいかとかはわかりませんが、
わたしは7年くらいずっと
オーストラリアのデボラ湖の塩を使っています。
買うものは気持ちいいかどうかで判断するんですが、
「これ、絶対買え!」
「それじゃない、こっち!」
という声が頭の中に響く時もあります。
(結構強引)
え〜?これ?
と疑問に思っても、後で
やっぱりこれにしてよかった、
といつも思うので
その声に従うようにしてます。
高くて買えないような物も
必要な物は安くなってたりして
手に入るようにできています。
買いたい物と必要な物が違うので、
購買欲と食欲が満たされないのが
ちょと辛い。
数年に一度、
チキンラーメンが無性に食べたくなりますが、
もちろんNGなので買えません。
売り場の前を通っても
素通りさせられます。
必要な物は人によって違うので、
takumiさんはきっと海の塩が合うんでしょうねぇ。
朱音さんへ
コメントありがとうございます。
One管理人のtakumiです。
朱音さんが言うとおり、直感に従うのが一番ですね。
>必要な物は人によって違うので、
>takumiさんはきっと海の塩が合うんでしょうねぇ。
そうかもしれませんね。
硬水が不味いと感じる人もいれば軟水は物足りないと感じる人も
いるのと同じで、人それぞれですよね。
ん?ってことは、記事の内容が万人に
押し付けがましい感じですが、
そうお感じだとしたらゴメンナサイ。
takumiさん、
takumiさんの記事に
押し付けがましさは感じませんよ(^-^)
本当に良いものをわかりやすく伝えようという
お気持ちがわかります。
だから、普段は勉強嫌いなわたしも
楽しく読んでます。
記事の内容は読む人が選ぶものだから、
自分が知ってる良いものは
どんどん教えるべきだと思います!
takumiさん
メール拝見しました。無機塩類の摂取はバランスが大切なことが判ります。私は以前ヒマラヤソルトなど使用したこともありましたが、今は自然塩を使用しています。ゲルソンの食事療法は減塩を徹底しています。其れで私はサラダにミネラルとして希望の命水(JES発売)をかけ(ドレッシングは使用せず)香辛料をふりかけた野菜サラダにしています。
希望の命水似付いてTakumiさんのご見解を教えていただければ幸いです。
モールさん
コメントありがとうございます、takumiです。
希望の命水は、前に500mlのを買って専用カップでちょびちょび飲んでいたことがありますよ。
細胞に届くさまざまなミネラルの摂取は大事だと思いますし、そのバランスも必要なのは理解しているつもりです。
あとは誰もがそれらを簡単に摂れるのがベストかなと思いますね。