海洋ゴミ問題待ったなし!今すぐ立ち上がろう!・・・の話

環境問題

スポンサードリンク

はじめに

こんにちは、takumiです。いつもご覧いただき、ありがとうございます。ご縁に感謝です。

今回は、ここ数年問題になっている「海洋ゴミ」の現実と取り組みなどを見ていきたいと思います。中には残酷な画像もあえて載せることにしました。自分もそれら現実から目を背けずに、少しでも海洋ゴミを無くし綺麗な海を取り戻すため役に立ちたいと思っているため、備忘録としてです。

海洋ゴミとは・・・その悲惨な現状

海洋ゴミ(海ゴミ)と一口で言ってもいろいろなゴミがあります。海岸に打ち上げられた「漂着ゴミ」、海面や海中を漂う「漂流ゴミ」、海底に沈んで堆積する「海底ゴミ」です。種類もたくさんあります。一見は百聞にしかずということで画像をご覧ください。


漂着ゴミ(出典:The Fisheries Blog.com


漂流ゴミ(出典:THE CONVERSATION


海底ゴミ(出典:NOAA’s Response and Restoration Blog


ミッドウェイ環礁にて(出典:Boldcorsicanflame’s Blog


インドネシア・ジャワ島にて(出典:Boldcorsicanflame’s Blog


ハワイでだってこのとおり(出典:Rebecca Jackrel Photography


こちらは対馬。東アジア諸国からの漂着ゴミが目につく。(出典:kazutora7の対馬からの便り

これら海洋ゴミは、人間が海や川や下水に廃棄したものが海流に乗って漂い、漂着したり海底に沈んだりするわけだけど、海流によって、特定の海域にゴミが集まってゴミの浮島のようになる。


(出典:Wikipedia


(出典:NASA

上の図は、NASAがゴミパッチ(Garbage Patch)と呼ばれるものがどのように漂流していくかを可視化している動画のキャプチャーである。

世界の七つの海のうち、北極海と南極海を除く5つの大洋に存在します。中でも、北太平洋に日本からハワイを経てカリフォルニアにまたがる「太平洋ゴミベルト」と呼ばれるものが一番大きく、大きな問題となっている。

人間が出す海洋ゴミによって多くの生き物が犠牲になっている

いつも犠牲になるのは弱い者である。人間が捨てるプラスチックゴミによって多くの海鳥や海洋生物が犠牲になっている。目を背けずご覧いただきたい。


(出典:The New York Review of Books


(出典:The New York Review of Books
上の画像は2つともミッドウェイ環礁でのアホウドリの死骸です。プラスチックゴミを誤食誤飲してしまうため、お腹の中にはペットボトルのキャップなどのプラスチックゴミがたんまりと入っていて、これが死亡の原因とも考えられます。鳥は口の中で咀嚼することなく丸呑みするのでどうしてもこうなってしまう。まるで、自らの死を以て僕たちに地球環境に対するメッセージを投げかけているようだ。

ミッドウェイ環礁は、ハワイ諸島の北西にあり、アホウドリの楽園としても有名なところです。それが今や、そこかしこにこういった死骸が転がっており、年を追うごとに増えてきているという。


(出典:The Happiness Project London
漁業用の網が流され海ゴミとなってしまったところにウミガメが絡みついてもがいている。


(出典:WDC
イルカがビニールのようなものにハマってしまい取れないまま。人間に助けを求めているようにも見える。


(出典:ARTERNET
漁業用の網に絡まってしまったマンタ。


(出典:SUOMEN YK-LIITTO
アシカの首に漁業用のナイロン網が絡まったまま成長してしまい、くい込んだ箇所がとても痛々しい。

このように、海の生き物たちが漁業用の網などに絡まった姿はとても痛々しく、目を覆いたくなるものばかりです。また、誤食した海ゴミで息絶えた海鳥たち。また、シャチやクジラなどが沿岸に打ち上げられて死ぬというのがたまにニュースになったりしますが、これらの死体を解剖すると胃の中から大量のゴミが出てくることも少なくないということです。

人間が便利さを追い求めすぎたことの結果なのかもしれません。

海洋ゴミの最大の問題「マイクロプラスチック」

いろいろある海洋ゴミの中で、プラスチックゴミは70%を占めるとも言われています。

このプラスチックゴミは生き物の体内はおろか、自然界においても半永久的に分解しませんので、製造されるかぎり永遠に増え続けていきますし、人間を含めた生物や地球環境に大きな問題を引き起こします。

中でも、直径5mm以下のプラスチックゴミを「マイクロプラスチック」と呼び、海洋ゴミとして今もっとも大きな問題となっているのです。2015年にドイツで行われた、G7エルマウ・サミットでもこの海洋ゴミ問題が取り上げられ、首脳宣言に盛り込まれました。


(出典:NOAA’s Response and Restoration Blog

これらは、元はプラスチック製のバケツや容器だったり、ブイ(浮き)だったり、ペットボトルだったり、レジ袋だったり、食器だったり、おもちゃだったり、普通のプラスチック製品なのですが、砂浜などに打ち上げられて何らかの衝撃で割れたものが太陽の熱や砂に揉まれて劣化し細かくなっていきます。それがまた波によって海に戻った時には、プラスチックなのに浮き上がらず、海底に沈んだり潮に乗って浮遊することになります。

マイクロプラスチックって何だ?:東京農工大学 高田秀重教授(PDF)


太平洋のマイクロプラスチック(出典:マイクロプラスチックって何だ?

中には上図のように、顕微鏡で見なければ魚卵やプランクトンと区別がつかないようなものまであり、それらは「見えないゴミ」と呼ばれ、もはや人間の手でこれらを拾い集めることは不可能です。

また、魚卵やプランクトンと見間違える大きさということは、それを食べるエビや魚や貝などがいて、さらにそれを食べる大型魚がいて、それをまた人間が食べるということになります。


(出典:マイクロプラスチックって何だ?

東京農工大学の高田秀重教授によれば、東京湾で捕れたカタクチイワシのうち8割の内臓からマイクロプラスチックが検出されたという。また、驚くことに、動物プランクトンからも検出されているということだ。

イワシ8割から微細プラスチック おなかに東京湾のごみ(東京新聞)

スポンサードリンク

マイクロビーズ製品を買わないようにしよう

この、おぞましきマイクロプラスチックを地球上から減らす、または無くすには、プラスチック製品自体を世界的に規制する方向に舵を切る以外にないと思いますが、もちろん、個人レベルでもプラスティック製品やペットボトルを買わなくしたり、レジ袋をもらわないようにしたり、出来ることはあります。


(出典:a green path

マイクロプラスチックゴミの中で、9割はプラスチック製品が自然によって細かく粉砕され5mm以下になるというものですが、残りの1割を占めるのが「マイクロビーズ」と呼ばれるもので、これまた大きな問題になっています。

  • マイクロビーズは、ポリエチレンポリプロピレンなどプラスチックで作られた球状の小さなビーズである。大きさは数ミクロン~数百ミクロン(0.001mm~0.1mm)くらいで、目に見えないくらい小さい。
  • こうした小さなビーズは肌の汚れや古い角質を除去する目的で、洗顔料やボディウォッシュ、練り歯磨き等の化粧品に添加されている。いわゆる、スクラブ剤(研磨剤)である
  • 以前は、天然のクルミやアプリコットなどの果物の種子などをスクラブ剤として使っていたが、十数年くらい前から合成プラスチックビーズが使用されるようになった。
  • マイクロビーズに主に使われているプラスチック(ポリエチレン)は、比重が1以下と軽く、水にも浮くため、使用後、排水溝を通して川に流れ込む。マイクロビーズはあまりに小さすぎるため、排水処理施設では除去できず、そのまま川を通って海に流れ込む。今や、世界中の海がこうしたプラスチックのマイクロビーズで汚染されている。
  • また、プラスチックは環境中の微量の化学汚染物質を吸着する性質があり、プランクトンや魚が飲み込むことで様々な影響を与えることが懸念されている。

洗顔料や歯磨きに含まれるマイクロプラスチック問題:大妻女子 大学 兼廣春之教授(PDF)より引用

プラスチックスクラブ剤(研磨剤)は、主に洗顔フォーム、クレンジング剤、歯磨き粉、ボディソープなど、角質を除去するためのものですが、ファンデーションや口紅、マスカラやシャンプーなど、多岐化粧品に配合されています。スクラブ剤表記例は下記のとおり。

★スクラブ剤だけじゃない!下記配合製品はなるべく避けよう。★

  • 高融点ポリエチレン末
  • ポリエチレン末
  • 清掃助剤

このように、マイクロビーズとは、いつ製造禁止にされてもおかしくないくらいの微粒プラスチックなんですね。眼球を傷つけている写真を見ると、ホント、はやく禁止してくれと思ってしまいます。

スクラブ剤は、肌を保護している粘膜を根こそぎ取ってしまいますから、そういう意味でも問題ですね。毎日お化粧をする女性にとって頭の痛い問題なのではないでしょうか。是非、天然のスクラブ剤(クルミやアプリコット、カカオ豆由来のもの)か、も出来ればノンスクラブのものを選んでいただきたいですね。

海洋ゴミ除去に立ち上がったオランダの青年


(出典:Boyan Slat.com

2013年に話題になったのですが、1994年生まれのオランダの青年、ボヤン・スラットさん(当時19才)が、新しい発想のもと海洋ゴミ、とりわけプラスチックゴミの除去に立ち上がった。

そもそもの発端は、2011年、彼が16歳の時、ギリシャでダイビングしたところ、魚よりレジ袋やなんかのプラスチックゴミのほうが多かったのを目の当たりにしたから。しかもこの海洋ゴミ問題になぜ誰も手をつけないのかと疑問に思うや、当時彼は航空宇宙工学を学ぶ大学生だったが、この新たなプロジェクトを完遂すべく学業と遊びをやめ、すぐに行動に取りかかった。非営利団体「オーシャンクリーンアップ」を設立し、クラウドファインディングで資金を集め、SNSで研究仲間を集めた。実験用の施設も賛同者によって借りることができた。夢が夢を呼び、あっという間に大きなプロジェクトの実験をすることが出来たのだ。

オーシャンクリーンアップ

詳しくは下記YouTubeをご覧ください。

今までは、海洋ゴミの除去というのはもっぱら船と網による方法だった。が、それでは大海に散らばるゴミを拾い集めるには時間とコストがかかりすぎる。そこで彼が考えたのは、海流に乗って流れてきたゴミを、翼を広げたような直径2kmものV字型フローティング・ラインで待ち構えて中央に集めて回収するというもの。網を張るわけではないので、魚などを傷つけることもない。必要な電源は太陽電池で行う。


(出典:The OCEAN CLEANUP


(出典:The OCEAN CLEANUP


(出典:The OCEAN CLEANUP

今はまだ実験段階で、トライアンドエラーを繰り返し進化している最中だが、近い将来、ハワイからカリフォルニアにまたがる太平洋ゴミベルトに全長100kmの装置の設置を目指している。今後の活躍に注目したい。

スポンサードリンク

シェアする
takumiをフォローする
One

コメント

  1. 朱音 より:

    私はずっと、家電製品のゴミ問題が
    気になってしょうがないです。
    子どもたちが中の金属を売るために
    有毒ガスまみれになりながら燃やして生活している映像が
    ずっと忘れられません。

    海も酷いですよね。
    利益追求のために
    自然も植物も動物も、同じ人間も、
    虐げられている。

    絶対にこのシステムを変えていこうと思います。

    • takumi より:

      朱美さんへ

      takumiです。いつもコメントありがとうございます!
      確かに家電製品のゴミもそうですね。

      とにかく、土(地球)に還らない物質、微生物が分解出来ないモノの製造を
      今すぐ止めてもらいたいですね。